【33週】妊娠9ヶ月の百日咳感染。胎児に免疫は移行するのか…?

妊娠中に百日咳にかかってしまったら、新生児のお世話はいつから?胎児に免疫はつく?


内服開始から1週間が経過

先週バタバタと百日咳疑い妊婦を診察してくれる病院を探し、内服を開始し、1週間がたちました。
予防的に2週間投薬が一般的みたいだけど、かかった医院では、1週間分しか内服薬が処方されなかったので、これで終わりになります。
(基本的に5日間内服加療すれば、百日咳の排菌はほぼ無くなるそうです)

妊娠中に百日咳にかかったら、赤ちゃんのお世話はいつから?

排菌しなくなれば赤ちゃんのお世話をしても良いようで、つまり、今日以降に生まれれば、百日咳的には、赤ちゃんのお世話をしても大丈夫だということになります。
(まだ正期産では無いのでダメなんですが)
しかし、内服開始していない主人やサポートのおばさま方と接触してしまえば赤ちゃんは感染するでしょうから、主人に内服を無理にでもさせる&産後のおばさま方からのサポートは中止するしか無いようです。
上の子達は予防接種してるのでおそらく感染してはいないでしょうが、それも検査をしていないので確実に感染していないとは言い切れません…

妊娠中に百日咳にかかったら、赤ちゃんに免疫はつく?

もし、妊娠中に母体が百日咳に罹患しても、胎盤や母乳から百日咳の抗体を赤ちゃんに与えることが出来るのであれば、百日咳の大人たちや子どもたちが居たとしても、赤ちゃんは百日咳にかからないか、かかっても軽く済むことになります。
では、胎盤や母乳から抗百日咳抗体は胎児や赤ちゃんに移行するのでしょうか?
そして、4種混合の予防接種(百日咳ワクチン入り)を受ける時期までもつのでしょうか?

初乳に百日咳抗体は含まれる?

分娩後0日~3日に分泌される初乳にはIgAが含まれています。
百日咳にかかっていないママの初乳には、百日咳と戦うIgAは含まれていません。
なので、4種混合の予防接種をなるべく早く受けるようになっています。
百日咳にかかったお母さんの初乳に百日咳抗体IgAが含まれているかどうかは調べても不明でした…

百日咳抗体は胎盤から胎児に移行する?

胎盤を通って母体から胎児へ受け渡される抗体はIgGだけで、経胎盤移行免疫とよばれます。
胎児が母体からの抗体を受け取るメインの時期は妊娠36~40週ですが、抗体が胎盤を通って胎児に受け渡される時期は早くて12週くらいと書いている文献もあり、32週以降には確実に胎盤移行しているようです。
百日咳抗体は母体から胎児へ移行しないと書いてある文献が多いですが、2011年、抗百日咳抗体が胎盤通過して胎児に到達するというデータが得られています。
(※妊娠中に百日咳に感染しなかった場合や、妊娠中に百日咳の予防接種を受けなかった場合には、胎児には百日咳の免疫は受け継がれません。)

百日咳IgGが母体内で十分量生産されるのは百日咳に感染し、咳が出た時期から2~3週間後、もしくは、百日咳の予防接種を受けてから2週間程度後です。
そのため、少なくとも出産より2週間以上前に百日咳の症状が出るか百日咳の予防接種を受けていれば、胎児に抗百日咳抗体をある程度受け渡しできることになります。

なので、私みたいに不運にも妊娠中に百日咳に感染してしまった妊婦さんは、症状が出てから最低でも2週間は胎児が生まれないように安静に生活して、IgG免疫が出来上がるのを待ち、少しでも胎児の抵抗力を付けてあげるのが最良のようです。

もちろん、他の新生児に感染させる可能性はありますので、早めの加療をして排菌を抑えるとともに、マスクを着用し、新生児室への出入りや他の赤ちゃんとの接触はなるべく避けるなど、他の方への配慮もお忘れなく!

※参考文献
CDC. Pertussis epidemic ̶ California, 2014
http://www.cdc.gov/mmwr/pdf/wk/mm6348.pdf

37号 妊婦への百日咳を含むワクチンの接種の推奨
http://www.kenei-pharm.com/medical/academic-info/icnews/2015/4039/